この時計
使い込んで傷だらけのボロボロの時計だ
前のオーナーから引き継いたとき
時計を磨かず、キズまですべて引き継いだ
どんなに大切に使っていても
使っている限り時計にはキズが入る
すりキズだったり、凹みがはいたり………
自分が着けたキズも多くて
一つ一つを鮮明に覚えている
想いが強いほど、キズをつけるとショックだし
些細なキズでも大きく感じたりする
でもね
不思議とこの無数のキズがかっこいいんだよな
時を刻んだ風格というかオーラというか
同じ傷の話だが
人間としても男としても未熟なので
よく人を傷つける行動をしたり、言葉を言ってしまったり………その都度凹む
関係の深ければ深いほど
その人愛していれば愛しているほど
人間関係に入る傷は大きくて
傷つけられた相手も
傷つけた自分も
とても悲しい気持ちになる
どんなに反省して話し合っても
円満に解決しても
最悪、縁がきれてしまっても
どんな場合でも心には傷が残る
あの時あんなことしてしまったぁ………
って
自分の心も過去の傷でいっぱいだ
まだ増えても行くだろう
心の傷が増えれば
その時はつらいけど
きっともっと優しくなれるかもしれない
人やサックスや音楽を愛せるかもしれない
この時を刻んだ時計のように
傷のぶんだけ
素敵な男になりたいなぁ
