一人息子も中学3年に上がり、以前より手がかからなくなってきたので、近頃は就業後にサックスを担いで、ジャムセッションに積極的に参加している。活動を始めるといろいろな人と再開するもので、以前に入っていたバンドメンバーとバッタリ遇って、そのバンドにも復帰することになった。
自分は日中は底辺職労働者として働いている。朝は比較的早く電車に乗り都内まで出かかけて、帰りは17時過ぎだ。
就業17時から19時までに家の中の家事全般を終わらせて、再び出かける生活だ。
朝は誰も起きてこない時間に家を出ることがほとんどだ。また夕方は息子は部活に塾通い、妻は残業が多く、自分が再び出かける19時に、顔をあわせることはあまりない。
自分が帰るテッペン【深夜0時】頃には、各自の部屋に入って就寝または就寝準備なのだ。そしてこのような外的音楽活動をしない日、時間は、日々の練習や本番へ向けての練習も独りでしなければならない。
そう音楽活動をすればするほど、音楽に没頭すればするほど、家族どの時間はなくなる。
【特に妻は元々は他人だ】
息子の親子関係とは違って、夫婦は継続する努力していかなければ壊れていく。今、それを特に実感している。音楽に傾倒していけば行くほど、音楽を愛せば愛するほど家庭はうまくいかなくなる。
【こんなことはわかっていた】
食える食えないに関わらず、ミュージシャンはあきらめなければいけないことがたくさんあるのだ。
結婚すること。
子供を持つこと。
家庭を持つこと。
多々あるが家庭に関することは、音楽と両立させていくのは難しい。一般職と音楽を両立させることさえ難しいだから………。
ミュージシャンは結婚することすら……諦めることが多い。
そう、大袈裟に言うとすべてを自分と音楽のために………捧げなければならないのだ。
会社員は会社のために…
子供がいれば子供のために…
恋人がいれば恋人のために…
家族がいれば家族のために…
そう誰かのために生きたいこともあるだろう。
しかし芸に生きることは、それにすべてを捧げ、自分勝手に、そして自分を一番大切に生きなければならないのだ。